2503号


新潟、公取委の判断覆らず

  • 公正取引委員会は21日、新潟交通圏のタクシー事業者が運賃の値上げ・自動認可枠内への変更に際し、下限運賃に統一するカルテル(価格調整)を結んでいたとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)に認定、25社に再発防止を要請する排除措置命令と総額2億3175万円の課徴金納付命令を出した。10月13日付の「事前通知」の命令案に変更はなく、加えて「台数の割り当てなどを話し合っていた」として減車の動きに「注意書」を出した。各社の一部は徹底抗戦の構えで、命令の取り消しを求め審判を請求する見通し。公取委の最終判断が減車問題にも及んだ事で、独禁法と特定地域タクシー事業適正化・活性化特別措置法(タクシー特措法)の関係性があらためて問われ、業界内では「台数の削減にブレーキがかかる」との懸念が広がっている。
    公正取引委員会は21日、新潟県庁で記者会見を行い、新潟交通圏のタクシー25社に対して行った排除措置命令と課徴金納付命令について、審査局第二審査長と審査専門官主査が説明した。
    審査長は「27社(圏内の全社)は2009年10月1日の新自動認可運賃ができる以前から、運賃の統一なり話し合いを続けていた。新自動認可運賃になったのを受けて違反行為を行った」と述べ、タクシー特措法施行以前から話し合いがあったとした。その上で「今回違反行為以外の法人タクシー1社と個人タクシーの代表者に、新自動認可運賃にするよう繰り返し要請していた」と述べた。違反行為については「1月の立ち入り検査以降は消滅したと認定した」とした。
    同審査長は「新自動認可運賃以降も、元の運賃はそのまま適用でき、下限割れとなるが認可運賃として継続が可能。新自動認可運賃に移らなくてもいいし、初乗り距離短縮運賃も設定できたのに、会社が下限運賃に移行したのが違反行為」とし、「1社や個人タクシーに繰り返し要請していたのはカルテルがなければできない話」と判断の根拠を説明。「自動認可運賃ができる前から多重化解消に向けた話がされていた中で、自動認可運賃に変わったことがあったので行ったのではないか。どこかの事業者がぐいぐい引っ張ったという認定はしていない」との認識を示した。
    審査長は「上限だろうが下限だろうが、1本の運賃へ入ろうと話して決めるのがカルテルそのもの。上限より下限の方が低いので、比較論で下限に入って何が悪い、と言えば、言えなくないが、法律は必ずゾーンに入らなくてはいけない、とはなっていない。いろんな意味があったのに話し合いの結果、下限になった。初乗り短縮を設定しないことも利用者に不利益な話だ」と業界の主張を批判した。
    行政指導の有無については「事業者側が主張しているのは聞いているが、審査の中で国や北陸信越運輸局が、共同して新自動認可運賃に移行するよう指導したという事実は把握していない。そういうものはないとわれわれは思っている。2月の自動車交通局長の通達についても、国土交通省の一貫した方針と聞いており、カルテルを指導することはあるわけないと思っている」とした。
    今後の手続きにも触れ、「審判請求をするとしても、排除措置命令の効力の停止はできない。履行義務が生じる。争ったとしても措置命令との両立は成り立つ。措置をしたからといって審判で不利になることはない」とした。
    主査は「排除措置命令については、裁判所に執行免除の申し立てができる。免除が相当と裁判所が認めれば供託金を払ってもらって、裁判所が認めた期間は履行しなくて済む」と述べた。課徴金に関しては、「審判請求しても納付義務はあり、納付期限を過ぎると延滞金がかかる。課徴金を納付の上、審判で争う人も居る」とした。
    立ち入り検査をした新潟県ハイ・タク協会と新潟市ハイ・タク協会については「違反行為者として認定し得るものはなかった。事業者間のカルテルとして認定した」と述べた。

    公正取引委員会は21日、25社に出した命令書に「タクシー車両台数の削減行為について(注意)」と記した文書も添付、減車割り当てに関する話し合いは独禁法に抵触する恐れがあるとして注意を促した。
    同文書では【@公取委が新潟交通圏のタクシー事業者らに独禁法に基づき審査してきたところ、貴社ら同交通圏の法人タクシー事業者は、タクシー台数の削減を図るため、各社ごとの削減割り当て台数などについて繰り返し話し合っていた行為が認められた A貴社らの行為は、独禁法3条の規定に違反する行為につながる恐れがある B公取委は貴社に対し、今後、タクシー台数の削減について独禁法違反になるような行為を行うことががないよう注意する】となっている。

関運局・譲渡譲受試験回数は来年2月ごろ発表

  • 国土交通省が譲渡譲受認可申請者を対象とした個人タクシー法令・地理試験の回数を現行3回から原則1回とする通達を出したことを受け、関東運輸局は19日の専門紙との定例記者会見で各地方運輸局に決定権がある営業区域の法令試験回数について「来年2月ごろに発表する」との見通しを示した。各地の具体的な試験回数については「検討している段階」として明言しなかった。高齢化問題にも言及し、「個人タクシー業界の取り組みに注視していくとともに、必要な見直しも行っていく」とした。