2599号


改正タク特措法成立

供給過剰の解消に向け、新規参入・増車の禁止と強制力ある減車対策を講じる自民、公明、民主3党の議員立法「特定地域タクシー事業適正化・活性化特別措置法(タクシー特措法)等改正案」が20日の参院本会議で可決、成立した。改正法は27日に公布され、来年1月26日に施行予定。国土交通省は現在の全国155の特定地域を施行日に「準特定地域」に一斉に移行し、4月の消費税8%への引き上げ分を転嫁した「公定幅運賃」を3月に公示する。新特定地域の指定と独占禁止法「適用除外」措置、減車・営業方法制限が始まるのは5月以降の方向で、ハイヤーは外れることが明らかになった。参院の採決でもみんなの党が反対した。新しい法の枠組みが業界を再生し、地域公共交通としての役割・機能を高めるか注目される。



改正タクシー特措法施行の想定日程
10月30日
 法案国会提出
11月8日
 衆院通過
11月20日
 参院可決、成立
11月27日
 公布
11月〜12月
 特定地域・準特定地域の指定基準案など

 (省令・通達案の異見公募開始)
14年1月26日
 施行

 準特定地域指定

 (現行特定地域の一斉移行)
2月
 各地で協議会開始

 (公定幅運賃公示)
3月1日
 公定幅運賃公示

 各社が幅運賃届け出
4月1日
 公定幅運賃適用開始

 ※消費税率8%引き上げ
5月〜
 運輸審議会諮問

 新特定地域指定

 新協議会発足

 特定地域計画策定

 (減車・営業方法制限など)
15年10月
 改正業務適正化特措法施行

 (運転者登録制の全国拡大)

公定幅運賃3月公示とは


公定幅運賃をめぐっては「値上げにならないか、料金はどうなるのか」との指摘が出され、渡辺氏(自民)は「高くはならない。料金は公定幅の対象外で、道運法による従来の基準で審査する」、民主の三日月大造タクシー政策議連幹事長は「幅を下回る運賃は変更命令で是正する。現行の自動認可運賃枠の(上下幅の)5〜6%が維持される」とした。公定幅運賃の設定では協議会が意見を出せる仕組みがあり、このために各地で協議会が2月に順次開かれる方向。原則、現行の協議会体制が移行する。これを踏まえ、国交省は3月1日に幅運賃を公示、1カ月間、各社の届け出を受け付け、消費税転嫁につなげる。労働規制では、付帯決議に盛り込まれている運転者負担料の見直しに関し、三日月氏が「悪しき慣行は断ち切るべき」と主張。個人タクシーの譲渡譲受制度の維持では、国交省の田端自動車局長が「円滑に行われるよう、試験の運用改善に適切に対応したい」とした。


参院国交委・付帯決議

自民、公明、民主3党議員立法「特定地域タクシー事業適正化・活性化特別措置法等改正案」に対する参院国土交通委員会・付帯決議(14項目=概要、11月19日)


  1. タクシーが地域の公共交通機関として重要な役割を担っていることを関係者は認識し、運転者登録制度の拡充や適正化事業実施機関制度の導入などを踏まえ、引き続き運行の安全を徹底し、サービスの高度化や高質化に積極的に取り組み、サービス面での競争を活発にし、利用者利便の一層の向上が図られるようにする。

  2. 特定地域の指定は、法的効果にかんがみ厳格に行い、現行特措法の指定基準より厳しい客観的な基準を設定したうえで適切に運用する。

  3. 特定地域計画の作成に際し、協議会としての合意の要件として、保有車両数の規模による法人事業者の区分や個人タクシーのカテゴリーごとに台数シェアを等しくした基準を設定し、周知・指導する。

  4. 特定地域計画に記載する削減すべき供給輸送力、削減方法などは、法人事業者区分や個人タクシーのカテゴリーに応じ、一律ではない削減率による減車(地域ごとの最低車両数を下回らない台数までとする)や営業方法の制限を柔軟に行うことができ、参考となる具体的パターンを示すなどの方法により周知・徹底する。設定される削減率は、あらかじめ協議会で合意した基準により加減などの調整もでき、周知・指導する。

  5. 準特定地域での増車の事業計画変更認可は、事業者の1台当たり増収実績(特定地域として指定されていた直近の期間も含む)、雇用する運転者の賃金増の実績などを基準として設定し、適切に運用する。

  6. 国土交通省は公正取引委員会の独占禁止法の見解に基づき、改正後の特措法に基づく行為として、独禁法上何が問題とならないとされるのか、また、何が問題となるのかについて明確となるよう、文章により周知を図る。

  7. 国土交通大臣が指定する運賃の範囲は、利用者利便の確保の観点を十分に踏まえ、安易な値上げが行われないよう指定に取り組む。

  8. 国交省と厚生労働省は累進歩合制の廃止について改善指導に努める。労使双方に対し、本法の趣旨を踏まえた真摯な対応を促し、取り組み状況を把握し助言など必要な支援を行う。

  9. タクシー事業者は歩合給と固定給のバランスの取れた給与体系の再構築、累進歩合制廃止、事業に要する経費を運転者に負担させる慣行の見直し、過度な遠距離割引運賃の是正など賃金制度の改善などに努め運行の安全を確保し、拘束時間外に運転代行業務に従事することなどにより、安全な運転をできない運転者を乗務させないよう万全を期する。

  10. 国交省は運転代行業者による場合も含め、白タク行為が行われないよう、関係機関と連携して監視・取締りの強化を図る。

  11. 本法の施行後も、個人タクシーによる事業の譲渡・譲受が円滑に行われるよう、譲受しようとする者に対する試験制度などの運用改善に取り組む。

  12. 適正化事業実施機関による事業の推進には、周知を図り、適正化事業が的確に行われ、旅客からの苦情の解決が迅速になされるよう、適切な支援などに努める。

  13. 本法の趣旨を踏まえ、タクシーの供給過剰対策、運転者の健康を守る観点からの過労運転防止対策などの推進を図るため、関係省庁連携の下、監査指導体制の充実強化に努める。

  14. 本法の施行の状況や効果について3年ごとに総合的に検証を行い、結果を本院に報告する。

関運局、立証可能な都内3事業者に"無免許運転"で監査実施

関東運輸局は20日の定例記者会見で、免許停止・失効中にタクシーを運行した"無免許運転"の個人タクシー3事業者に対して今月、呼出監査を実施したと発表した。いずれも東京の事業者で、1年以内に同運転を行っていた。無免許は「運転者の制限違反」に当たり80日の車両停止となる。違反事実が認められれば、早ければ春先にも処分が確定する見通しだ。9件は確認が難しく監査は実施されなかった。
 関運局は10月22日、過去5年間に個人タク14事業者(東京13、神奈川1事業者)の無免許運転が発覚したと発表した。このうち、1事業者が80日の車両停止処分となり、1事業者が廃業している。残り12事業者のうち ▽道路運送法で定められている帳票類で立証・確認可能 ▽昨年12月の「運行管理業務の適正な執行の徹底」通達以後に発生した ▽無免許運転が判明した経緯−−の3点を勘案して3事業者に監査を行ったと報告した。




国交省メールマガジンからの抜粋

個人タクシーと歩行者が接触した事故


11月20日(水)午前10時5分頃、東京都において、都内の個人タクシーが空車で走行中、歩行者と接触した。
この事故により、当該歩行者は死亡した。事故当時、当該タクシーが信号機のない交差点において、当該歩行者と接触した模様。